2022年の最多層は45〜49歳、しかし・・・
少子高齢化により、中高年世代より若い世代が少なくなっていることは知られていると思いますが、会社勤めの人口でも同様な結果となっています。
このことはデータを見るまでもなく、職場の顔ぶれを見てもなんとなく実感としてあると思います。
しかし、データをよく見てみると、少し気になる変化も見られました。
最多層の45〜49歳は、現時点(2024年)ではそろそろ50代になりますが、この層がなぜか定年前に減少しているようです。
今回の比較ではその理由までは分析できませんが、単純に経年でボリュームゾーンが高齢化していくというわけではない(50代になんらかの動きがある)としたら、今の40代以下の方々は、そのまま定年までいるという予測を立てるのは要注意かもしれません。
データについて
労働人口の変化について、政府統計データ※を使用しました。
対象は正規の職員・従業員です。
データは2017年と5年後の2022年です。
※出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)(https://www.e-stat.go.jp/)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?tclass=000001151423&cycle=0
・2017年のデータ:
平成29年就業構造基本調査 都道府県結果(全国,全国市部,都道府県,都道府県市部,政令指定都市)第8-1表 男女,年齢,従業上の地位・雇用形態・起業の有無別人口(有業者)-全国,全国市部,都道府県,都道府県市部,政令指定都市
・2022年のデータ:
令和4年就業構造基本調査 全国結果第12表 男女、年齢、教育、従業上の地位・雇用形態・起業の有無別人口(有業者)-全国
より該当箇所(321_正規の職員・従業員)のデータを転記・加工(差異計算および説明等追記)しました。
データの概要
データの「従業上の地位・雇用形態・起業の有無別人口(有業者)」は以下のような項目で集計されています。
今回の変化の比較は、この表の「321_正規の職員・従業員」の数字の内訳で行いました。
5歳間隔の年齢層ごとで全体・男性・女性の人口変化を見ていきます。
全体の変化
・全体が2017年と比べて160万人くらい増えていますね。間にCovid19があったにも関わらず増えているのはなぜでしょう?2022年に大きく減っている自営業から流入?
・2017年に最も多いのは40〜44歳の層。
・矢印のように、5年後に年齢が5歳上がっているので、ピークが45〜49歳に上がっています。
・そして2022年は40〜44歳の層から若い層が減っています。
・2017年に50〜54歳だった層が、2022年の55〜59歳層になっているはずですが、
26万人ほど減っています。なぜでしょうか?定年前に退職している?
・2017年は75歳以上という集計が、2022年は85歳以上まで5歳ごとに集計されました。
・60歳定年の場合、5年前よりも定年後の人数は約46万人増加しました。
35〜39歳とか、40〜44歳と言えば、おそらく多くの企業で課長・部長に昇格する年頃。
矢印のようにスライドしていくとしたら、その層も減っていくことになります。
最近、若い人たちから「管理職になりたくない」という声もちらほら聞きますが・・・
企業のマネジメントは大丈夫なのでしょうか?
男性の変化
男性だけで見ると、
・総数では10万人弱増加。
・男性が全体の約2/3ですから、男女比はおよそ2:1ですね。
・2017年最多層の40〜44歳が、そのまま45〜49歳にスライドしたように見えます。
・2017年に50〜54歳だった層は、全体の数字と同じように定年前に減っています。
「50代、リスキリング」という言葉をよく目にするようになったけど、それと関係ありそうな気がしますね・・・。
女性の変化
・女性は30〜34歳になると約1割減っています。出産を機に休職でなく退職しているのでしょうか?
・一方で30歳以降は増えているように見えます。また別のところで働き始めたということでしょうか?
まとめ
今回は、会社等の「勤め人」と思われる労働人口の変化が気になりこのような比較をしてみました。
実際筆者の勤める会社でも平均年齢は高くなってきています。
ベテラン、中堅、若手それぞれの層で、従来とは別の感覚で(とくに会社や人生の)将来を予測する必要があるのではないかと感じました。
もちろんこのデータだけでは具体的な理由まではわかりませんが、
・50代男性と30代女性には働き方の変化がありそう
というところが非常に気になりました。別の機会にもう少し詳しく調べてみたいと思います。
気になる本など
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