経緯
8月下旬、庭で子供がプール遊びをしていると隣家からモスキート音が発せられ、子供が頭痛を訴え泣き叫んだという話題がありました。
簡単に経緯をまとめると、以下の通りです。
8月25日、「都民ファーストの会」幹事長の尾島紘平都議会議員が以下のような内容をXに投稿。
-友人から「庭にビニールプールを置いて子供を遊ばせていたところ、子供が頭痛を訴えて泣き出した。
何かと思ったら隣家からテレビでモスキート音が鳴らされていた。」というような相談を受けた。
-投稿やニュースに対し賛否のコメントが多数寄せられた。
-特に被害届・警察に相談などという記事は見当たらない(9/10時点)。
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子供の庭プールに激怒の隣人がモスキート音で妨害…都議が紹介した“騒音トラブル”に「やりすぎ」「庭でビニプは絶対うるさい」と意見真っ二つ
ネットの反応
投稿やニュースに対して、賛否それぞれ多数の意見が寄せられました。一部を抜粋して引用します。
道路族に悩まされてるから気持ちはわかる(中略)警察に通報もしたことあるよ道路族をもっと厳しく取り締まってほしい。
(略)隣人さんも生活があり、体調が悪い可能性もあるわけで、、。親として周りへの気遣いも大事だと思います。
モスキート音を使うなんて、実に穏便で平和的な対策ではないか?世の中には直接怒鳴り込んだり、警察に通報する人もいるくらいだ。
隣人も昨日今日の騒音で「モスキート音流してやろう」ってなった訳じゃないと思う。 子供が外で遊ぶ年齢になったあとずっとうるさかったんでしょう。(略)
道路族とは
道路族については様々な説明がありますが、要約すると、以下のような人のことです。
・住居周辺の道路上で遊ぶなどして大きな声や騒音・ゴミなどを出したり、故意か否かにかかわらず器物損壊してしまうなど、近隣の住民が被害を受けたり迷惑や苦痛を感じる行為をする人物または子供がそのようなことをしていてもやめさせない保護者等
子供だけではなく、大人が住宅地の路上等でバーベキューをすることも含まれたりします。
今回のトラブル例では自宅の庭であり道路上ではないのですが、呼び方はともかく近所迷惑行為またはその放置という意味では同じ振る舞いと見做す人もいるようです。
一般的には、アパートなどの場合は室内でも声がうるさいと感じることはありますが、アパートでは気を遣うのに屋外だからよいだろうとか、公園など子供が遊ぶ場所が近くにないから仕方がないとか、独善的な判断理由で他人に我慢を強いる態度に対する怒りや不満も生じさせているようです。
「道路族」という言葉がいつから使われているかは不明ですが、「道路族マップ」を掲載されているこちらのサイトの「お知らせ」ページには2017年7月19日に開設とあるので、2010年代中ごろにはすでに使われていたと思われます。
上記のサイトに対しても賛否があるようですが、それだけこの問題は深刻で解決が難しいと言えるかもしれません。
許容できない側と許容を求める側で基準が異なれば対立が生まれやすいということだと思います。
自身でも「これくらい大丈夫だろう」と思っていることが、実際は他人に迷惑をかけているかもしれないので、一概にどちらの意見に賛成ということは難しいですね・・・。
庭の木や雑草が隣家の敷地に入っていたり、ゴミなどが飛んで行ったりすることもあるので、結構神経質になるときもあります。でもそれをいちいち気にするのが「めんどくさい」と思う人と、いつもしっかり気をつけている人でも基準は違います。
マナーとは自分の基準ではなく他者の基準だということをあらためて思いました。
モスキート音とは
モスキート音のモスキートは英語で蚊のことで、その羽音のように例えられる17,000Hz(17KHz)の周波数帯の音がモスキート音と呼ばれています。
人間の可聴周波数は20Hzから20,000Hzと言われ、加齢とともにその範囲は狭まるため、ある程度の年齢になると聞こえなくなってきます(筆者も聞こえませんwww)。
人間の耳に聞こえる周波数なので、特殊な機械がなくてもテレビやオーディオ機器・音声ファイル等で再生することができます。
実際、ネット上でも探せば見つけることができますが、あくまで「聞こえるか聞こえないか」という遊び要素のある使われ方を想定したもので、誰かにダメージを与えるために使用されないことを祈ります。(筆者は自分が若いと思っていたので、聞こえなかった時は多少精神的ダメージありましたw)
今回のトラブルでは、あくまでモスキート音だからということではなく、迷惑を被った場合の対応の仕方についての意見が多いようです。
騒音の苦情に関するデータ
環境省の資料「令和2年度騒音規制法等施行状況調査の結果について」によると、苦情の内訳と割合は以下のようになっていました。
内訳 | 割合 |
建設作業 | 37.7% |
工場・事業場 | 26.7% |
営業 | 9.2% |
家庭生活 | 7.6% |
拡声機 | 2.1% |
自動車 | 2.1% |
アイドリング、空ふかし | 1.9% |
航空機 | 1.7% |
鉄道 | 0.3% |
再生可能エネルギー | 0.1% |
「家庭生活 7.6%」を多いと感じるか少ないと感じるかは人によると思いますが、建設作業や工事等を除くと営業に次いで多い項目です。
建設や工事はたまたま近所であるとしても、長い目で見れば一時的なものですが、家庭生活はほぼ年中ということもあるかもしれません。音量の大小だけでなく、継続性も大きなストレスになります。
騒音トラブルについては過去からたくさんの事例があります。中には命が奪われるという悲しい事件もたくさんありました。
普段からマナーに気をつけるとともに、苦情を言う場合もできるだけ穏便に伝え合えるようにすることも大切だと思います。
しかし多くの場合は、「なかなか言いづらい→言わないので相手が迷惑をかけていると気づかない」の延長で、ある日不満が爆発するのだろうとも思います。今まさにその状況におられる方もたくさんいらっしゃると思います。
騒音に関して、調査などをされているこちらのサイトが参考になるかもしれません。
トラブルの際の対応などについてもまとめられています。
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