実に痛ましく、日本中が悲しみと怒りに震える事件です。
9/18、中国の深圳(シンセン)にある日本人学校に通う男の子が、44歳の中国人の男に刺され、19日未明に亡くなりました。
今年6月にも、中国東部の江蘇省蘇州市で日本人母子ら3人が、刃物を持った中国人の男に襲われる事件が発生したばかりです。
今年に入って二件目の襲撃
1)6月16日 蘇州での日本人母子襲撃事件
2024年6月、蘇州(上海近郊)で日本人母子が襲撃される事件が発生しました。事件は、蘇州の繁華街で日本人の母親とその子供が刃物を持った男に襲われ、負傷するというものでした。
中国当局はこの事件を「孤立した事件」として説明し、政治的な背景や日本人を狙ったものではないと報告しています。
この事件では、現場に居合わせた55歳の中国人女性が犯人を止めようとして亡くなり、その勇敢な行動が地元政府によって称賛されました。
事件後、中国と日本の外交当局は対応に追われ、日本政府も在中邦人の安全確保を中国側に要請しています。
2)9月18日 深圳で日本人学校の児童が刃物で刺され死亡
024年9月18日、中国の深圳で10歳の日本人男児が通学途中に刺され、翌日早朝に死亡するという悲劇的な事件が発生しました。
男児は日本人学校に通っており、44歳の男性によって襲撃されました。犯人はその場で逮捕され、警察が現在取り調べを行っています。
この事件は、1931年の「満州事変」の記念日と重なり、日中関係の緊張が高まる中で発生しました。日本の副外務大臣は中国大使に対し、日本人学校周辺の安全対策強化を強く要請しました。
また、この事件の前には、2024年6月にも蘇州で日本人母子が襲撃される事件があり、これが「孤立した事件」として中国当局により説明されていたことも指摘されています。
この悲劇的な出来事に対し、日本政府は深い遺憾の意を表明し、事件の解明と日本人の安全確保を中国に求めています。
深圳と日本人
深圳(Shenzhen)は中国広東省に位置する大都市で、特に経済発展のスピードが速い都市の一つです。
1979年に経済特区に指定されて以来、急速に工業・技術都市として発展しました。
香港との国境に近く、世界的な技術産業のハブとして知られており、多くの外国企業や投資家が集まる都市です。
概要
- 所在地: 広東省の南部、香港との国境に隣接
- 設立: 1979年、経済特区として指定される
- 主要産業: ハイテク産業、製造業、金融業、不動産
- 交通: 中国南部の交通拠点であり、深圳宝安国際空港や高速鉄道が整備されています。
人口
2024年時点で、深圳市の総人口は約1,740万人とされています。
急速な経済成長に伴い、国内外から多くの人々が移住してきています。
日本企業と日本人コミュニティ
深圳には数多くの日本企業が進出しており、特に技術関連の製造業やIT企業が多いです。
例えば、ソニー、トヨタ、日立などの大手日本企業が拠点を置いています。
また、日本人の駐在員やその家族も多く、現地には日本人学校や日本食レストランがあり、コミュニティも存在しています。
- 日本人の人口: 深圳には約5,000人から6,000人の日本人が居住していると推定されています。この数は深圳の総人口に対して非常に少ない割合(0.03%以下)です。
治安状況と犯罪発生件数
深圳の治安は中国全体の都市と比較しても比較的良好とされていますが、急速な都市化に伴い、一部で治安問題が報告されています。
特に、窃盗や軽犯罪は観光客や外国人が集まる地域で起こることがあります。
- 年間の凶悪犯罪発生件数: 公式には凶悪犯罪の詳細な統計は出ていませんが、中国全体の治安管理が厳格化されているため、凶悪犯罪の発生率は他国の大都市と比べて低い水準にあります。しかし、突発的な事件や襲撃事件が時折報道されており、近年では外国人、特に日本人に対する一部の事件も発生しています。
安全に滞在するためには、観光地や繁華街での注意が求められ、特に夜間は人通りの少ない場所を避けることが推奨されています。
また、日本総領事館からの安全情報も確認することが重要です。
経済の中心地としての役割
深圳は「中国のシリコンバレー」とも呼ばれ、HuaweiやTencentなどの巨大IT企業が本拠地を置いています。
技術革新の拠点として、国内外の企業の進出が続いており、経済活動が非常に活発です。
総じて、深圳は急速に発展している都市であり、ビジネスチャンスに溢れる一方で、治安には日常的な注意が必要な面もあります。
深圳には、日本人の子供が通う学校や施設がいくつかあります。主に以下のような学校や施設が日本人コミュニティに利用されています。
深圳の日本人の子供が通う学校・施設等
1. 深圳日本人学校 (Shenzhen Japanese School)
深圳日本人学校は、現地で日本人の子供たちが日本語で教育を受けることができる学校です。小学校と中学校の課程を提供しており、カリキュラムは日本の教育方針に基づいています。日本人駐在員の子供たちが主に通っており、教育の質も高く、コミュニティの中で大切な役割を果たしています。
2. 国際学校
日本人の子供たちは、日本人学校に限らず、深圳にある多くの国際学校にも通っています。これらの学校では英語を中心に多国籍の生徒が学び、日本人の生徒も数多く在籍しています。代表的な国際学校には以下があります:
- Shenzhen American International School (SAIS): アメリカ式の教育を提供し、多くの外国人が通う。
- Shekou International School (SIS): 多国籍の生徒が在籍しており、日本人家庭にも人気の学校。
- Green Oasis School: 中学までの教育を提供する国際学校。
3. 日本人向けの学習塾や習い事施設
深圳には日本人向けの学習塾や習い事施設も存在します。これらの施設は、子供たちが日本語や日本の文化を学ぶ場として利用されています。また、日本語補習校などもあり、特に現地の国際学校に通う子供たちが週末に通っていることが多いです。
4. 日本人コミュニティセンターや文化施設
日本人向けの文化施設やコミュニティセンターも存在し、日本の伝統行事や文化活動を通じて日本文化を維持するための場となっています。これにより、日本人家族は現地での生活に適応しながらも日本文化に触れることができます。
上川陽子外務大臣は
児童が亡くなったことを受け、取材を受けた上川陽子外務大臣は以下のようなコメントをしています。
「深い悲しみを禁じ得ない。心からのお悔やみを申し上げる」
「ご家族のご心痛は察するに余りあるものだ」
「政府としては、引き続き全力で家族の支援にあたる」
「登校中の児童に対して卑劣な行為行われたことは誠に遺憾。親御さんのご心痛も考えると胸がつぶれる思いでいっぱいだ」
「14日に中国外務省に対して日本人学校の安全対策について、万全の対応を行うよう申し入れを行ったところだった。そうした中で事件が起きてしまったことを大変、残念に思っている」
「改めて中国側に対して日本人の安全確保を求めていくとともに、日本人の安全対策を含め、再発防止に向けて、どのような追加的な措置が可能か事務方に検討を指示した」
何か考えろ、とはどこかの会社の使えない上司のようですね。それで済むなら6月の時点で今回の事件は防げたはずです。
しかも6月時点ならまだしも、3ヶ月で同様の事件が起きているのにも関わらずです。そして、申し入れた万全の対応とは具体的にどのような対応なのか。
「難問から、逃げない。」という本をご自身で出されているので、ぜひそうしていただきたいと思います。
現在、上川外相は2024年自民党総裁選にも立候補しています。
現役の外務大臣が、自分の任期中に2度も同様の事件が発生して、この程度のコメントでは、外務大臣どころか総理大臣になって大丈夫か?と不安になりますね。しかも、以前は法務大臣も務めていた方です。
総裁選など辞退してでも、自ら中国に行って毅然と抗議し、再発防止対策についても陣頭指揮をとって具体的に実行してほしいと思うのは筆者だけではないと思います。
ちなみに、以下は上川氏の推薦人のリストです。
推薦する以上、本当に総裁にしたいのならば、ただの数集めでなく、リーダーに相応しい対応について進言するのがよいのではないでしょうか。そうでなければ、この方々の人を見る目も疑われかねないですね。
上川氏の推薦人リスト
【衆院】
牧原秀樹(無派閥、比例北関東)
井出庸生(麻生派、長野3)
井林辰憲(麻生派、静岡2)
国光文乃(岸田派、茨城6)
小泉龍司(二階派、埼玉11)
小島敏文(岸田派、比例中国)
仁木博文(麻生派、徳島1)
深沢陽一(岸田派、静岡4)
堀内詔子(岸田派、山梨2)
松島みどり(安倍派、東京14)
松本剛明(麻生派、兵庫11)
盛山正仁(岸田派、比例近畿)
山口俊一(麻生派、徳島2)
【参院】
猪口邦子(麻生派、千葉)
今井絵理子(麻生派、比例)
山東昭子(麻生派、比例)
中西祐介(麻生派、徳島・高知)
牧野京夫(茂木派、静岡)
森雅子(安倍派、福島)
若林洋平(二階派、静岡)
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